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S-Worksターボタイヤ vs IRC TLRタイヤ:性能徹底比較

  • スタッフブログ
  • 2024.02.05

スペシャライズド箕面の藤木です! 今回はタイヤに関するお話になります。

ロードバイクのタイヤの太さは、10年前と比べるとずいぶん変わりましたね。

私がロードに乗り始めたころは、23C全盛期でチューブラータイヤですと、21Cなんていうのもありました。
その上、空気圧は10気圧とか、もしくはそれ以上入れるケースも。

その後25Cが主流となり、今では28Cが台頭しています。
さらにチューブレス技術も著しく進歩し、低圧での運用も可能となりました。タイヤの種類もバリエーションに富んでおり、様々なタイヤを試すことも、ロード乗りの楽しみの1つと言えるでしょう。

さて、そんなあまたあるタイヤの中で、スペシャライズドは26Cという選択肢を用意しています。
私も普段26Cを使用していますが、今回たまたま他社製の25Cタイヤへ交換する機会がありました。私が感じたことをお伝えいたします。

比較するタイヤとスペック

今回比較していくタイヤは、以下の2つです↓

S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLESS REDY T2T5

価格:¥12,100-
タイヤ幅:26C
重量:230g
ケーシング:120TPI
適応空気圧:70-110 PSI

 

IRC FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT

価格:¥9,240-
タイヤ幅:25C
重量:220g
ケーシング:180TPI
適応空気圧:73-115

両者ともに完全なレーシングタイヤ。単純なスペック比較だけだとIRCが優勢か…

タイヤの使用環境

ホイール:ZIPP404Fire Crest Disc(リム内幅23㎜)
シーラント:Muc-Off “No puncture”
空気圧:前後共4.5気圧
走行場所:スペシャライズド箕面~勝尾寺

IRC 25C vs SPECIALIZED 26C

〇IRC フォーミュラプロ 25Cで感じた事〇

まず始めに感じるのは、漕ぎだしの軽さ。TURBOと比べ、前後で20g軽量なだけだが明らかに軽い。
足回りの軽量化は、鈍感な私でも感じることができました。

走り出してからもその軽さは十分に感じられ、ダンシングをした際の振りも軽く、ペダルへのパワー入力に対する反応も大変良いです。

一言でまとめると、カチッとした乗り心地。
チューブレスに加え、40TPIの耐パンクガードが備えられていることもあり、タイヤ自体ははっきり言って硬い印象です。
その分、路面状況を身体へダイレクトに伝えてくれる点はメリットの1つと言えます。(平坦走行時)

しかしその一方で、”頼りなさ”を感じました。
私がここでいう”頼りなさ”は、下りやコーナリングでの、安定感とグリップ力です。

安定感については、単純に25cが細いということもありますが、走行感覚は23Cと変わらない印象。
グリップについては、定評があると聞いていましたが、残念ながら個人的にはあまり感じることが出来ませんでした。

恐らく、タイヤ自体がカチッとしているため、タイヤの変形を感じることが出来ないからだと考えています。
柔らかいタイヤというのは、グリップが抜けて滑り出す瞬間のたわみが出るのですが、IRCの場合それがありませんでした。
メーカー公表の数値やデータを見る限りでは、単純なグリップの限界点は高いようです。

とはいえ、ホビーライダーの場合、グリップの限界点まで攻める走りをしないため、気にする必要はないでしょう。
シリアスなライダーが使うレースタイヤとして考えれば、大変優秀だと思います。

総括:「軽いけどピーキーさがある攻めたレースタイヤ

〇S-WORKS TURBO Rapidair T2T5 26Cで感じた事〇

IRCほどの軽快感はないものの、数値の重量以上に軽い走り出し。
しかし今作のT2T5で、最も注目すべきは、重量ではなく剛性とコンパウンド。

旧作と比べケーシング剛性が上がっているT2T5は、タイヤ全体に聢りとした印象を受けます。
26Cという太さとケーシング剛性が合わさり、バイクの高い安定感と挙動の掴みやすさを最初に感じました。

またタイヤ自体も潰れにくいため、空気圧を落としても変形抵抗が少なく、直進でもスムーズな走行感を維持。
それでいて、柔らかな乗り心地も確保されていることに驚きです。

特に路面のギャップやコーナリングでは、常時タイヤに掛かるトラクションを身体で感じることができました。
バイクを倒す動作において、”このタイヤは信用できる” と思わせてくれる、数少ないチューブレスタイヤでしょう。

私の様に下りを苦手とするライダーにとって、高い路面追従性はタイヤ選びにおいて重要なポイントです。

また、気になるマイナスポイントは、これと言ってありませんでした。
ですが、特筆するとしたら ”ずば抜けたプロユース感” がないということ。
IRCのようなエッジこそ欠けるものの、それだけバランスの取れた超優等生ということです。

本来乗り心地の良さは、ロードバイク然とした走りと相反するもの。
しかしS-WORKS TURBOは、それを実現しているのですから、恐るべしです。

総括:「ホビーニーズをすべて満たす、唯一のレースチューブレスタイヤ


いかがだったでしょうか?

今回、他社製のタイヤを使うことで、S-WORKS TURBO の良さを再認識することが出来ました。
またタイヤの世界は奥が深く、個人によって感じることが異なる点も面白いですね。

今後もこういった、比較インプレッションをしていきますので、ご期待ください!!

この記事を書いたスタッフ

藤木 大貴

藤木 大貴(DAIKI FUJIKI) スポーツ自転車歴15年。高校時代、クリテリウムのロードレースで活動。大学ではトライアスロンに挑戦。 デュアスロンでは、世界選手権出場経験を持つ。