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スタッフ藤木はRAPIDE CLX2で高速域の夢を見るか。日々のライドで感じた率直なインプレ
私事ですが、先日ROVAL RAPIDE CLX Ⅱを購入しました。
以前はZIPP社のFIRECREST404を使っていましたが、コツコツ貯めた小遣いとローンで遂にゲット!
今回はそんな念願のホイール”RAPIDE CLX Ⅱ”のインプレをお届けします。
さてインプレへ移る前にRAPIDEの説明を少しだけ↓
ホイール自体のローンチは2020年の夏ごろ。
初代となるCLX1はクリンチャー専用として登場し、前後異形のリムプロファイルは当時話題となりました。
その後22年にTLR対応となり現在のCLX2へ。
ここで注目すべきは、発表から今日までの約5年間、リムプロファイルに一切の変更は加えられていないこと。
すなわち、現実世界での最速を目指して開発されたこのリムは、もうこれ以上にない完成度であることを示しています。
そんな最高峰のホイールを愛車TARMAC SL8 へ装着し、スペシャライズド史上そしてリアルワールド最速バイクが完成!
インプレッション
ファーストフィーリングは、とにかく全く癖が無く扱いやすいということでした。
平坦も登坂も下りも全てがスムーズ過ぎて、ある種ホイールの存在感は決して強くない、そんな印象です。
<平坦>
安定感の高さが目立ちました。
時速35㎞前後から40㎞手前までの速度維持とコントロールが抜群に良かったです。
また40㎞以上でも、一度その速度域で転がりだすと安定感が出てきます。
恐らく、TLR化によってリムがやや重くなったことで、慣性の法則が働きやすくなったのでしょう。
そのあたりも含めた設計であれば、スペシャライズド恐るべし…
また以前のホイールの場合、特に冬場は横風への対策としてハンドルへの加重を意識する必要がありました。
一方でRAPIDEはそれを意識させずに、リムでいなしてくれている印象です。
しかもナチュラルに。ライダーには意識していないことすらも感じさせない、ホイール側の配慮が素晴らしい。
リム外幅35㎜というマッシブな形状からは、凡そ予想できない優れた性能を持っています。
少し気なったのは、信号のストップ&ゴーで重たさを感じもたつく点。
前後重量が1500gを超えるので当然といえばそうなのですが、コーナーの立ち上がりなどで脚を使いそうですね。
<登坂>
先述したホイール重量以上に、大変良く登る優秀な一面を見せてくれます。
得意とするのは、勾配が8%未満といった所でしょうか。
トルクを掛けていくと速度域がグングン上がっていきます。明らかにエアロ効果の恩恵です。
登坂でエアロ性能が重要であるということを、身をもって認識することが出来ました。
それ以上の勾配ではダンシングのテクニックを要する印象でした。
横剛性が高く、ダンシングのテンポが掴みずらいこと・体への負担が大きくなることが挙げられます。
RAPIDEに最適なダンシングは、ステアリングコラムを中心にSTIレバーを押し出す小さな動作。
前輪を揺らすことで、バイクが2輪駆動に変換され、ダンシングが非常に行いやすくなりました。
<下り>
私は基本的に下りが苦手です。これまでリム時代を合わせ十数本のホイールを使ってきましたが、下りになると突然ホイールだけが先行し、怖い思いをすることもしばしば。
そういったホイールは大抵コーナリング時に前輪の切込みが早く、リアの加重が抜けるオーバーステア気味です。
RAPIDEは変に自己主張せず、フレームとの調和を図ることで、バイク全体の挙動がとても掴みやすくなりました。
やはりトータル設計で最適化されているだけありますね。
印象としてはアンダーステアですが、コーナーへ突っ込む方向でどうにでもなるので全く気になりません。
<総括>
RAPIDE CLX Ⅱは、本当に優等生です。
平坦も登りも下りも、いかなる環境下であっても安定したハイパフォーマンスをライダーに与えます。
そしてこれはホイールに限ったことではありませんが、いつの時代も・どのモデルも現実世界で最高レベルのパフォーマンスを追求しています。
ありがちな風洞実験結果など、単なる机上の空論と言わんばかりの、スペシャライズドの製品開発に対する本気度が垣間見えました。
昨今はメーカー・形状、そして価格帯含め、様々なカーボンホイールが市場に出回っています。
ライダーの選択肢が増えたことは、積極的に歓迎すべきですが、本気で走りを楽しみロードバイクを遊びつくすのであれば、その答えは明白でしょう。
また今回の購入で、TARMACとの相乗効果を十分に感じることもできました。
近年多くのバイクメーカーが、自社開発のホイールをリリースしていることにも合点がいきます。
スペシャライズドオーナーの皆さま、是非ROVALホイールの導入をご検討ください。
その他気になることがあれば、店頭の藤木までお声掛けくださいね!
【余談】
今回のブログタイトル「スタッフ藤木はRAPIDE CLX2で高速域の夢を見るか」にピンと来た方は私と同じSF好きでしょう。
SF映画の金字塔”ブレードランナー”の原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」より拝借しました。(フィリップkディックに一礼)