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第七世代から第八世代へ。僕がTARMAC SL8を買うまで1年悩んだ訳。(前編)

  • スタッフブログ
  • 2024.07.20

TARMAC SL8が発表されて丁度丸一年…

私事ですが、先日ついにSL8を購入いたしました。

スペシャライズドストアのスタッフとしては、非常に遅い乗り替えであることは重々承知の上。

しかし、私が最もユーザー目線かつ公平な視点で、真剣に購入したスタッフだと自負できる。

今回はSL8購入までの1年間を振り返り、ユーザー様に忖度の無い生の声をお届けします。

SL7で感じた衝撃を超えられるか。

そもそも私が初めて手にした、スペシャライズドのロードバイクはTARMAC SL7。
これまで米国某社のバイクを乗り継いでおり、スペシャライズドのバイクというもの自体よく知らなかった。

そんな状況で手にしたSL7。初めて乗ったその瞬間は、決して忘れることのできない体験となる。

恐ろしいほどに勝手に進む。ペダルに入力したちパワーが何倍にもなって推進力へ変わる。
今まで知る高速域から、もう一段階上の次元をみせてくれた。登りでも軽量バイクのような軽やかさで、抜群の登坂性能。

”全てを叶える1台”というコンセプトを全身で感じ、私はすっかりSL7の虜になった。

そして月日が流れ、去る2023年8月、満を持してSL8が発表。第七世代からの進化となれば、私の期待値は膨らみに膨らんだ。
ここは忖度なしで正直に述べると、SL7で感じたしびれるような衝撃はなかった。

”とても軽く乗り心地の良いバイク” その時は、そんなありふれた言葉でしか表現できなかった。

私の期待値が高すぎたのだろうか?それとも、スペシャライズド史上、最も成功をおさめたSL7が凄すぎたのか…
この瞬間から今日まで、購入を本気で考え、自問自答する毎日が始まった。

他社との比較。そして新しい基準。

私はまず他社のモデルチェンジを待ち、比較対象を設けることにした。
事実、この1年間で多くのメーカーが、フルモデルチェンジやマイナーチェンジを実施。

それら全てに共通して言えることは、やはり空力性能と軽さの両立。
各社これまで培ったテクノロジーを最大限駆使したマシンは、ようやくSL7に近しいスペックを手に入れた。

しかしSL7の発表は、今から4年も前のこと。

スペシャライズドにとって、SL7のフレーム重量800g / 完成車重量6.8㎏は遠い過去なのだ。

そして今、ロードバイクの開発はUCIの厳しいルールによって、頭打ちと言えるだろう。(特にエアロ性能)
エアロと軽さを既に手に入れたターマックは、他社を圧倒的に凌ぐ次のレベルでSL8の開発を行い、現実のものとした。

それは極限の軽量化とライドクオリティの提供。これが次のロードバイクの新基準だ。

また数年たてば、SL8が成しえたこれらを、他社が追随するのだろう…
この1年、各社の動向を追い続けたことで、SL8の開発コンセプトとロードバイク進化の行く先を、十分に理解することができた。

言い換えれば、SL8が発表されたとき、凡そ私の理解が足りなかったということ。まったくお恥ずかしい話だ。

世界最速はハッタリか真実か。

スペシャライズドは、SL8を世界最速と定義している。
しかし、この1年で発表された多くのハイエンドモデルが、世界最速を掲げる。

世界最速は本当なのだろうか…

某有名ブロガーによると、第三者機関による風洞実験結果では、SL8は世界で13番目の空力性能だったらしい。
前作SL7と比較すると、わずか1ワットの削減に留まった。

その一方で、重量/剛性/快適性を含めた総合評価は史上最高だったという。

私の考える世界最速は正しくこれ。
人間が乗車すること・実走環境下を考えれば、乗り物として総合的なバランスが必ず求められる。
そうすることで、年齢・性別・プロアマ問わず、誰が乗っても速く快適に走らすことのできるマシンに近づくはずだ。

現時点で突出したエアロ性能を誇るバイクは、快適性を犠牲にしたり、特殊なジオメトリー(日本人にとって)の傾向がある。
また各社の風洞実験が想定する、時速45㎞以上での巡行が出来る&数ワットのエアロ効果を体感できるライダーはごく少数。

そもそも各社の”エアロ合戦”は、UCI規定も相まってオワコンと言えるだろうし、車体重量が軽くなることの方が、一般ユーザーにとってはよっぽどメリットだ。

多角的に考えれば、SL8が最速であるという主張は、すんなりと受け入れることができる。

SL8を選ぶその時。

先述したように、次世代のロードバイク開発の道しるべはSL8によって明確に示された。

現存するロードバイクの中で、SL8が唯一全てを最高レベルに仕上げたレーシングマシン。SL8への渇望が一気に湧き上がる。

ここで改めて自分のSL7とSL8を比較する。
私のSL7は実測重量7.25kg(ペダル/ボトルケージ/マウント込み)。大幅な軽量化となれば、ホイール以外の選択肢はない。
ディープホイールの装着を絶対とする私の場合、SL7を6㎏代にのせることは不可能に近い。

SL8(店頭の52サイズ)の場合、RAPIDE CLXⅡ(1550g)のホイールを装着した状態で実測値6.65㎏。
SL7からパーツを載せ替えるだけで、7㎏をゆうに切るのは明らかだ。

これまでSL7以外にも、数台のディスクロードを乗り継いだが、いずれも7㎏を切ることはなかった。
無意識下で、エアロと軽量を天秤に掛けてバイク選んでいたのだ。そもそもSL8に迫るエアロ効果もあっただろうか?

エアロか、軽さか。僕はそれを選ぶことから解放されたくなった。

自分の中でSL8を購入する材料が全て揃った。


後編へ続く…

 

この記事を書いたスタッフ

藤木 大貴

藤木 大貴(DAIKI FUJIKI) スポーツ自転車歴15年。高校時代、クリテリウムのロードレースで活動。大学ではトライアスロンに挑戦。 デュアスロンでは、世界選手権出場経験を持つ。